1007 サンカ生活体験記 6
戦争とサンカ
戸籍のある者は村役場の兵事係が次々と赤紙を割当て数だけ出していたが、今日は
ここ明日は何処か判らぬ戸籍を持たぬ者には召集礼状の出しようはない。しかし、昭
和十八年十九年になって老人と子供ばかりしか男は残っていない時世になると、壮年
の男はどうしても目につく。もちろん憲兵隊が駐在巡査や消防団員を使って山狩りを
するが捕えられるものではない。
もちろん旧軍部も、満州事変がひろがりだした昭和九年十月六日に、栃木県下にお
いて、当時の関東代表者の大山(ダイセン)五郎と武蔵一の両名に色んなおいしい事
を言って、各セブリの統合を命令というより懇願したが、なにしろ千何百年にわたっ
て反権力反体制の者らが、今さらオカミの言うことをきく筈はない。情報部の大尉や
中尉が彼らに反感を持たれぬよう私服、できれば着物で軍の羊羹などを持っていった。
しかし月に一回ぐらい通っても約束の場所や日時をすっぽかされる事も珍しくなく、
ようやく二年後の昭和十一年には十名程と懇談できたが、あまり喋らずにものわかれ。
もちろん翌年も毎月の如く軍用の女をつれていったが、掟ゆえうまくいかず、ただ
黙々と持っていった品物を各テンジンへ置き帰るだけ。
「国家の非常時である」
と、たまりかねて佐官級が行って怒鳴りつければ、反国家の彼らは逆に反感をもって、
かえって失敗に終わった事もある。
よって内務省警保局の力を借り、下部団体の「民族融和事業会」に加わっている牒
者というか、かつてはサンカに近いザボだが、今はトケコミしている者らを各県から
集めてきて、始めだして七年目の昭和十六年の一月三日になって、「関東箕作り製作
者組合」なるものを、官憲は絶対に干渉しないからという絶対条件つきで、どうにか
結成させるところまでこぎつけた。そして、人手がなくて困っている農家がいたら、
食糧がとれなくては皆飢え死にしてしまうから、手伝ってほしいといったような頼み
ともなった。
「一億一心火の玉だ」という国家総動員令下の時代である。戸籍のない彼らに徴用
令も出せぬから、係官は平身叩頭して助力を乞うた。もし出征してくれるものなら、
その場で当人の戸籍を出し、出征金という仕度金を残る家族へとわたし、後では気が
変るからとその場から伴ったのが各地で三百八十名だという綜合的な話も伝わってい
るとさえ云われているそうである。
しかし、農家の手伝いを強制された者は、なにしろ耕作どころか草むしりもした事
のないサンカ連中ゆえ、せっかく留守出征家族の許へ赴かされても、足手まといで役
立たずだった。
が、そのかわり今まで自然食として自分らが採取していたワラビやクズ、ユリの球
根を掘り出したり、山芋を掘って粉にしたり飴にして飴屋横丁に進出したり団子屋な
どもし、食糧不足の時代に自然食で一般の飢えを救った。
全国箕製作者組合は、これに参加したのは男子3258名で女子は2679名に及
ぶと、大いに貢献したとおカミでは発表をなしている。
その時の発表では、明治四十三年二月一日の全国セブリ数23、383だから、貢
献したとされる1991張は0.085で一割にもあたらない。まさか半世紀たらず
で一割以下に、いくら相次ぐ戦火を受けたとはいえ、山の中で暮している彼らがそん
なに激減する筈はない。
なにしろセブリの女に後家はいない。女が一人でいては子供ができぬから人口が減
ってしまう。そのための「鞘」とか「ハバキ」と呼ばれる押しかけ女房になってしま
うからなのである。
日本では夫が出征する際は、死んで還れと励まして見送り、戦死の公報が入ると表
口に「靖国の妻」という表札が、愛国婦人会の手によって張りつけられ、他へ押しか
け女房に行けるどころか、そのまま出征軍人の妻として貞操を守って棺桶まで直行せ
ねばならぬのが世相。
つまり山本周五郎の小説みたいに、女とは性欲など全くなく、結婚して求められる
とそれに対しては法律では拒めないからやむなく夫の鞘になるだけで、そうでない場
合は、「あわや落花狼籍」と、女には性欲などないものだと、いつでも被害者。舌を
むいてキスしてカッキリ半分喰い切られた男性が裏日本には現存するが、女はデリケ
ートにできているのか、
「操を汚したからには舌噛み切って死にまする」
と、ティッシュペーパーで後始末もせず、漏らし濡れっぱなしで、花の生命を断って
しまうのが山周さんだけでなく一般的な小説であった。
アメリカのように夫人連の性処理に、船で夫の許へ集団輸送などせず、日本軍は男
の兵士には突撃一番と印刷された紙袋をわたし、慰安婦の許へ一列で並ばせて用を足
させていたが、留守家族に対しては、反対に私服憲兵が「出征軍人の家」と在郷軍人
会で一軒ずつ標札に並んで打ちつけられた家を看視して廻り、出入りの魚屋までが、
夫の代用にされていないかと不審訊問して廻るぐらい厳しかった。だからサンカの女
性のごとく好色で自分の方から男に跨りにゆくようなのはいない事になっていた。
が、敗戦まではそれで表向きはよかったが、純日本人の女性というのは性的にはき
わめて有感性ゆえ、現代となってはイタリアやフランスへ行っても、「愛さえあれば
‥‥」とヒヤリングもスピーキングもろくに通ぜぬのにすぐ寝てしまう。しかも1フ
ラン1リラもとらない。だから、只より安いものはないと彼女らはもてる。
なにしろグアムやサイパンへ行っても、カナカの島民の男を、外人さんだからと何
処でもワンカットは済ましてくるパック旅行のOLが多く、日本では中世期に魔女狩
りをろくにせず僅かに三百人程を織田信長が焼き殺しただけゆえ、そのせいで手のつ
けられぬ連中が多いといわれる。
なにしろ、イロハ覚えてイロばかりと、近頃は小学生の女の子でさえ、昔は「お医
者さまごっこ」といったのを「お勉強」と称し、まじめに予習や復習しているのが五、
六年生には多いという。
これは終戦後、日系アメリカ兵の説得で、セブリから都市へ流れ込むトケコミが多
いせいではなかろうか。なにしろ「トケコミ」は三代までといって、セブリから抜け
ても孫までは、かつてのクズシリとは連絡がつけられ、ウラがさんと親類づき合いが
続く。別にウミノコ、ヤカカラ、ハラカラとも称するが、三代たっても直接には繋が
りはなくなるが、出世、吉凶はクズシリに通報。毎年暮れや旧正月にはクズシリ直属
ツナギであるツナガリさんが各戸を廻って歩き、昔みたいに箕一つという事はなく、
その家の経済状態に応じて応分の義理を包んで差し出す。
「本家(ほんげ)」とこの金は呼ばれて、人頭税ではなく、トケコミした者の交通
遺児の奨学金制度になったり、サラ金で困っている人間に貸し与えたりして面倒をみ
るが、カラとよばれる三代以上たったセブリ出身者は、義理でツナガリに民族の立場
でわたすが、関係は隠したがる。有名な製菓会社の社長は今でも毎年決まって別名で
五百万円ずつ送金しているという。
さて、民族事業同和会の官制の発表である。はたして何を意図してのものか信用で
きぬが‥‥
一、東海道(極秘条項 以下同じ)
伊賀国 108戸
(昭和24・9・6のセブリ数の36倍 明治43・2・1のセブリ数の3.2倍)
伊勢国 407戸 (同 21.4倍 同 2.6倍)
志摩国 7戸 (〃 ? 〃 3.5倍)
尾張国1709戸 (〃 9.7倍 〃 3 倍)
三河国1493戸 (〃 46.6倍 〃 3 倍)
遠江国1701戸 (〃 46 倍 〃 3 倍)
駿河国1093戸 (〃 39 倍 〃 3 倍)
甲斐国 811戸 (〃 19.3倍 〃 3 倍)
伊豆国 720戸 (〃 24.8倍 〃 3 倍)
相模国1411戸 (〃 45.5倍 〃 3 倍)
武蔵国5913戸 (〃 76.7倍 〃 3 倍)
安房国 113戸 (〃 37.6倍 〃 3.4倍)
上総国1113戸 (〃 58 倍 〃 3 倍)
下総国 898戸 (〃 43.8倍 〃 3 倍)
常陸国 747戸 (〃 27.7倍 〃 3 倍)
以上で合計18244戸。その家族数は、91727で、一戸あたり5人強である。
東海道全体としてみると、セブリ数411張に比し、その戸数は44.6強にあたる
(昭和29年9月7日の数なりとの公式の発表である)
ニ、北陸道
若狭国 235戸
(昭和24・8・7のセブリ数の58.5倍。明治3・2・1のセブリ数の4.2倍)
越前国 299戸 (同 42.7倍 同 4 倍)
加賀国 591戸 (〃 49.3倍 〃 4 倍)
能登国 37戸 (〃 18.5倍 〃 4 倍)
越中国 121戸 (〃 24.2倍 〃 2.5倍)
越後国 267戸 (〃 26.7倍 〃 4.1倍)
佐渡国 21戸 (同 ? 〃 5.3倍)
合計 1571戸
家族総合人口8640。一戸あたりは5人半。この地方は戸籍に入ったトケコミの倍
率が高くて、セブリ現在数の31張に対し、その戸数は僅か50倍強にすぎぬとの発
表。
三、東山道
近江国1755戸
(昭和24・9・7のセブリ数の42.8倍 明治3・2・1のセブリの3倍)
美濃国1517戸 (同 35.3倍 同 3.1倍)
飛騨国1351戸 (〃 34.6倍 〃 3 倍)
信濃国1407戸 (〃 25.6倍 〃 3.2倍)
上野国 503戸 (〃 26.5倍 〃 3.7倍)
下野国1001戸 (〃 31.3倍 〃 2.1倍)
合計 7534戸なりとの発表数字である。
総人口は推定で36670人、一戸が平均で5人くらいである。
セブリ229張に対して36倍強にあたるとされているのである。
四、畿内
摂津国2741戸
(昭和24・9・7のセブリ数の29.5倍 明治43・2・1のセブリ数の2.2
倍)
山城国 926 (同 22.6倍 同 2 倍)
河内国1072戸 (〃 18.8倍 〃 1.9倍)
和泉国 397戸 (〃 8.1倍 〃 0.9倍)
大和国1136戸 (〃 21.4倍 〃 2.3倍)
合計 6272戸なりと発表はされている。
現在セブリ数293張に対して21倍強。その倍率は比較的低い。総人口2320
6人で、一戸3.7人平均で家族数も非常に少ない。その原因は今のところ不明であ
るとしている。
五、山陽道
長門国 718戸
(昭和24・9・7のセブリ数の15.6倍 明治43・2・1のセブリ数の1.5
倍)
周防国 507戸 (同 13.7倍 同 1.3倍)
安芸国 619戸 (〃 19 倍 〃 1.1倍)
備後国 404戸 (〃 17.5倍 〃 1.4倍)
備中国 285戸 (〃 16.7倍 〃 1.6倍)
備前国 278戸 (〃 15.4倍 〃 1.3倍)
美作国 550戸 (〃 12.2倍 〃 1.2倍)
播磨国1363戸 (〃 21.3倍 〃 2.1倍)
合計 4724戸なりと発表。
現在セブリ総数311張に対し、23.1倍強。家族総数20313で、一戸あたり
4.2人であると計算しているのである。
六、山陰道
石見国 443戸
(昭和24・9・7のセブリ数の13倍 明治43・2・1のセブリ数の1.2倍)
出雲国 436戸 (同 11.7倍 同 1.1倍)
隠岐国 5戸 (〃 2.5倍 〃 1 倍)
伯耆国 358戸 (〃 14.3倍 〃 1.4倍)
因幡国 562戸 (〃 20 倍 〃 1.2倍)
但馬国 250戸 (〃 17.8倍 〃 1.6倍)
丹波国 818戸 (〃 14.3倍 〃 1.4倍)
丹後国 150戸 (〃 21 倍 〃 1.7倍)
合計3022戸との数字は如何だろうか。
現在セブリ総数204張に対し、14.8倍強。総人口16017人。一戸あたり
5.3強である。この地方はセブリの本拠地であるにもかかわらず、そのさびれ方は
激しいとなす。
七、南海道
淡路国 19戸
(昭和24・9・7のセブリ数の6倍強 明治3・2・1のセブリ数の三分の一)
紀伊国 235戸 (同 5.2倍 同 半減)
阿波国 634戸 (〃 12.9倍 〃 1.3倍)
讃岐国 62戸 (〃 10.9倍 〃 1.1倍)
伊予国 508戸 (〃 9 倍 〃 0.9倍)
土佐国 362戸 (〃 14.5倍 〃 1.5倍)
合計2372戸なりとの発表。
現在のセブリの233張に対し10倍強。総人口11386人。一戸あたり4.8
人で、この地方もトケコミの数は少ない。それはトケコミが京阪地方に移動している
からであるという。
八、西海道
薩摩国 466戸
(昭和24・9・7のセブリ数の14倍 明治43・2・1のセブリ数の1.3倍)
大隅国 119戸 (同 5.4倍 同 0.5倍)
日向国 179戸 (〃 9.9倍 〃 0.9倍)
肥後国 549戸 (〃 11.7倍 〃 1.1倍)
肥前国 774戸 (〃 15 倍 〃 1.5倍)
壱岐国 5戸 (〃 5 倍 〃 2.5倍)
対馬国 7戸 (〃 3.5倍 〃 2.3倍)
豊前豊後二国 433戸 (〃 12 倍 〃 1.2倍)
筑後国 634戸 (〃 13.5倍 〃 1.3倍)
筑前国 674戸 (〃 15.6倍 〃 1.5倍)
合計3840戸となっている。
現在のセブリ数299張に対して12.8倍強である。家族総数17280人、一
戸あたり4人半であるとして発表されている。
昭和二十四年の統計にしろ、その前の明治四十三年のものにしても、何といっても
根っからの反権力体制の彼らが、いくらオカミの命令だからと脅かされ、金品を与え
られて懐柔されても、まさか手許の実数などバカ正直に、民族融和事業会の旧特高の
連中に渡している筈などはない。
おそらく各地方別のセブリ数は十分の一ぐらいしか報告されていないとみるが妥当
だろう。
三角寛はその著「サンカの社会」の170Pから173Pにかけて、日本六十余州
を八地区に分けて、セブリの人口と性別を明細にしているから、敬意を表しそのまま
下へ転記はしてみるが、だいたい明治か大正か昭和か、それも定かではないのでは、
何故に勿体ぶって事業会のコピーを詳しくしたのか、何かわけがあったのだろうか?
一セブリは男女の夫婦が基数になるのでバスコントロールしていない彼らの増加ぶ
りだけは判るが、ただそれだけである。
全国のセブリの人口や性別を完全に調査する事は、過去では至難の事であったが、
関東箕製作者組合の協力によって、その実態を把握する事ができたのは人類学上にお
いても、民族学、考古学の上からいっても、セブリ社会の研究上、一つの貴重な資料
ではある。
民族融和事業会発表
東海道方面
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
-------------------------------------------------------------------
伊賀国 3 11 13 24 8
伊勢国 19 70 73 143 7強
志摩国 0
尾張国 43 136 135 271 6強
三河国 32 94 95 189 5.9強
遠江国 37 120 122 242 6.5強
駿河国 28 95 108 203 7.2
甲斐国 42 158 157 315 7.5
伊豆国 29 62 69 131 4.5
相模国 31 115 117 232 7.5
武蔵国 77 192 193 385 5
安房国 3 7 15 22 7.3強
上総国 19 73 79 152 8
下総国 21 75 83 158 7.5強
常陸国 27 60 62 122 4.5強
計 411 2268 1321 2589 6.3
北陸道方面
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
-------------------------------------------------------------------
若狭国 4 13 16 29 7.2強
越前国 7 21 24 45 6.4強
加賀国 12 38 41 79 6.5強
能登国 2 7 6 13 6.5強
越中国 5 19 20 39 6.5
越後国 1 4 5 9 7.8
佐渡国 0
計 31 102 112 214 6.9
東山道方面
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
-------------------------------------------------------------------
近江国 41 163 165 328 8
美濃国 43 162 161 323 7.5強
飛騨国 39 136 137 273 7
信濃国 55 88 87 175 3.2
上野国 19 60 62 122 6.4
下野国 32 119 121 240 7.5
計 229 728 733 1461 6.4強
畿内五ヶ国
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
-------------------------------------------------------------------
摂津国 93 279 287 566 6.1強
山城国 41 144 143 287 7
河内国 57 185 186 371 6.5
和泉国 49 172 171 343 7
大和国 53 145 147 292 5.5強
計 293 925 934 1859 6.5強
山陽道方面
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
-------------------------------------------------------------------
長門国 46 160 162 322 7
周防国 37 108 110 218 5.9
安芸国 61 233 225 458 7.5強
備後国 23 79 82 161 7
備中国 17 67 69 136 8
備前国 18 79 83 162 9
美作国 45 151 155 306 6.8
播磨国 64 249 257 506 7.9強
計 311 1126 1143 2269 7.3
山陰道方面
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
------------------------------------------------------------------------
石身国 34 117 118 235 6.9強
出雲国 37 103 104 207 5.6弱
隠岐国 2 8 10 18 9
伯耆国 25 79 81 160 6.4
因幡国 28 81 87 168 6
但馬国 14 52 53 105 7.5
丹波国 57 195 199 394 6.9
丹後国 7 21 23 44 6.2
計 204 656 675 1331 6.5
南海道方面
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
------------------------------------------------------------------------
淡路国 3 8 9 17 5.6強
紀伊国 45 131 135 266 5.9強
阿波国 49 178 180 358 7.3強
讃岐国 56 192 193 385 6.8強
伊予国 55 156 158 314 5.7強
土佐国 25 99 101 200 8
計 233 764 776 1540 6.5強
西海道方面
国名 セブリ数 男 女 計 一セブリ平均数
-------------------------------------------------------------------
薩摩国 33 123 125 248 7.5強
大隅国 22 87 89 176 8
日向国 18 61 62 123 6.8強
肥後国 47 144 145 289 6.1
肥前国 50 173 187 360 7.2
壱岐国 1 5 3 8 8
対馬国 2 7 6 13 6.5
豊前国 13 43 48 91 7
クズシリ
豊後国 23 75 76 151 6.5
筑 後 47 107 109 216 4.5
筑 前 43 80 81 161 3.7
計 299 905 931 1836 6.1
註として、西海道つまり筑前、筑後だけ、多産系のセブリなのに、家族構成が低い
率になっているのは、北九州の筑豊炭田へ男女共がどんどん入ってきた時、セブリの
娘っ子が求められて一緒になりトケコミ者となって、セブリから離れていったのが多
いからだというのである。
ついで「サンカの社会」の著書には「全国サンカ分布表」なるものが続いて掲げら
れているが、こちらには「明治43年」と「昭和24年」の双方の三重県のセブリ数
の対比をば、昭和24年9月現在で三張と十九張となしているが、私の見た大正時代
の十分の一以下である。
全国サンカ分布表
イ‥‥「サンカ秘密記録」による
ロ‥‥全日箕(サンカ)組合調査表
ハ‥‥全日箕組合調査
ニ‥‥三角寛著によるところのサンカ社会から一般化
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国名( イ 明治24 ロ 昭和23 ハ 昭和24 ニ トケコミ トケコミ
都道府 9・7現在 9・7現在 9・7現在 トケ と明治セ と昭和セ
県名) のセブリ数 のセブリ数 男女別人口 コミ ブリ数と ブリ数と
戸数 の比較 の比較
男 女 計 1セブ
リ平均
数
---------------------------------------------------------------------------
東海道十五国
(三重〃〃 愛知〃 静岡〃 山梨 静岡 神奈川 埼玉 千葉〃〃 茨城)
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伊賀国 34張 3張 11人 13人 24人 8人 108戸 3.2倍 36倍
伊勢国 159 19 70 73 143 7.5 407 2.6 21.4
志摩国 2 0 0 0 0 7 3.5 -
尾張国 568 43 136 135 271 6.3 1709 3.0 39.7
三河国 496 32 94 95 189 5.9 1493 3.0 46.6
遠江国 566 37 120 122 242 6.5 1701 3.0 46
駿河国 397 28 95 108 203 7.2 1093 2.8 39
甲斐国 269 42 158 157 315 7.5 811 3.0 19.3
伊豆国 239 29 62 69 131 4.5 720 3.0 24.8
相模国 467 31 115 117 232 7.5 1411 3.0 45.5
武蔵国 1964 77 192 193 385 5 5913 3.0 76.7
安房国 33 3 7 15 22 7.3 113 3.4 37.6
上総国 367 19 73 79 152 8 1113 3.0 58.5
下総国 296 21 75 83 158 7.5 898 3.0 42.8
常陸国 246 27 60 62 122 4.5 747 3.0 27.7
小 計 6103 411 1268 1321 2589 6.31 8244
北陸道七国(福井〃 石川〃 富山 新潟〃)
--------------------------------------------------------------------------
若狭国 56 4 13 16 29 7.2 235 4.2 58.5
越前国 74 7 21 24 45 6.4 299 4.0 42.7
加賀国 146 12 38 41 79 6.5 591 4.0 49.3
能登国 9 2 7 6 13 6.5 37 4.0 18.5
越中国 49 5 19 20 39 7.8 121 2.5 24.2
越後国 65 1 4 5 9 9 267 4.1 26.7
佐渡国 4 0 - - - - 21 5.3 -
小 計 403 31 102 112 214 6.9 1571
東山六国(滋賀 岐阜〃 長野 群馬 栃木)
--------------------------------------------------------------------------
近江国 579 41 163 165 328 8 1755 3.0 42.8
美濃国 496 43 162 161 323 7.5 1517 3.1 35.3
飛騨国 449 39 136 137 273 7 1351 3.0 34.6
信濃国 438 55 88 87 175 3.2 1407 3.2 25.6
上野国 138 19 60 62 122 6.4 503 3.7 26.5
下野国 467 32 119 121 240 7.5 1001 2.1 31.3
小 計 2567 229 728 733 1461 6.4 7534
畿内五国(兵庫 京都 大阪〃 奈良)
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摂津国 1246 93 279 287 566 6.1 2741 2.2 29.5
山城国 463 41 144 143 287 7 926 2.0 22.6
河内国 564 57 185 186 371 6.5 1072 1.9 18.8
和泉国 469 49 172 171 343 7 397 0.8 8.1
大和国 494 53 145 147 292 5.5 1136 2.3 21.4
小 計 3236 293 925 934 1859 6.5 6272
山陽道八国(山口〃 広島〃 岡山〃〃 兵庫)
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長門国 478 46 160 162 322 7 718 1.5 15.6
周防国 391 37 108 110 218 5.9 507 1.3 13.7
安芸国 563 61 233 225 458 7.5 619 1.1 10.0
備後国 288 23 79 82 161 7 404 1.4 17.5
備中国 178 17 67 69 136 8 285 1.6 16.7
備前国 214 18 79 83 162 9 278 1.3 15.4
美作国 458 45 151 155 306 6.8 550 1.2 12.2
播磨国 649 64 249 257 506 7.9 1363 2.1 21.3
小 計 3219 311 1126 1143 2269 7.3 4724
山陰八国(島根〃〃 鳥取〃 兵庫〃 京都)
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石見国 369 34 117 118 235 6.9 443 1.2 13.0
出雲国 396 37 103 104 207 5.6 436 1.1 11.7
隠岐国 5 2 8 10 18 9 5 1.0 2.5
伯耆国 256 25 79 81 160 6.4 358 1.4 14.3
因幡国 468 28 81 87 168 6 562 1.2 20.0
伯馬国 156 14 52 53 105 7.5 250 1.6 17.9
丹波国 584 57 195 199 394 6.9 816 1.4 14.3
丹後国 88 7 21 23 44 6.2 150 1.7 21.4
小 計 2322 204 656 675 1331 6.5 3022
西海道十一国(鹿児島〃 宮崎 熊本 佐賀 長崎〃 福岡 大分 福岡〃)
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薩摩国 358 33 123 125 248 7.5 466 1.3 14.1
大隅国 239 22 87 89 176 8.0 119 0.5 5.4
日向国 199 18 61 62 123 6.8 179 0.9 9.9
肥後国 493 47 144 145 289 6.1 549 1.1 11.7
肥前国 516 50 173 187 360 7.2 774 1.5 15.5
壱岐国 2 1 5 3 8 8.0 5 2.5 5
対馬国 3 2 7 6 13 6.5 7 2.3 3.5
豊前国・ 43 48 91 7.0
・ 361 36 433 1.2 12.0
豊後国・ 75 76 151 6.5
筑前国 488 47 107 109 216 4.6 634 1.3 13.5
筑後国 449 43 80 81 161 3.7 674 1.5 15.6
小 計 3108 299 905 931 1836 6.1 3840
合 計 23373 2011 6474 662513099
南海道六国(兵庫 和歌山 徳島 香川 愛媛 高知)
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淡路国 59 3 8 9 17 5.6 19 0.3 6.3
紀伊国 468 45 131 135 266 5.9 235 0.5 5.2
阿波国 488 49 178 180 358 7.3 634 1.3 12.9
讃岐国 558 56 192 193 385 6.9 614 1.1 10.9
伊予国 563 55 156 158 314 5.7 508 0.9 9.0
土佐国 279 25 99 101 200 8 362 1.3 14.5
小 計 2415 233 764 776 1540 6.6 2372
非サンカ地帯(福島 宮城 岩手 青森 秋田 山形 福島 北海道)
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磐城国 57
陸前国 139
陸中国 73
陸奥国 41
羽後国 33
羽前国 27
岩代国 21
蝦 夷 349
小 計 740
合 計 48319
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